’70年代英国プログレッシヴ・ロック・シーンのど真ん中!?
イエス の
FRAGILE(こわれもの) です。
ボクはこの”こわれもの”からプログレッシヴ・ロックの迷宮への扉を開けてしまいました!(笑)
10代の学生時代(もちろん!リアルタイムなわけありません!)に、当時はレンタルレコード屋さんに通う日々。インターネットの情報網もなく、知り合いにもロック通のトモダチは居ずに、ロック(音楽)に飢えていたボクの気持ちを満足させてくれていたのが、地元近所のレンタルレコードだったわけです。その手薄い情報網と少ないおこずかいの中、唯一頼りになったのが・・・感(カン)☆です^^
とは言え、直感(カン)は正直あてにならないので、帯(オビ)に書いてある記述やジャケ等の表面上からの見るからして”これ聴いてみたい!”、”借りてみたい!”と思わせてくれるアルバムを探していました。
その中で一際ボクの心を打ったのが・・・この”こわれもの”だったわけです。
ロジャー・ディーン氏の描くジャケ・アートの世界(イエスの他にも、”ユーライア・ヒープ”、”エイジア”、”ベーブ・ルース”、”バジャー”他多数あり!)は見た一瞬で好きになりました!まさに!?”音楽=芸術”という事を素直に連想させてくれて、ボクが一番最初に感銘を受けたロック”作品”がこのイエスの4thアルバム”こわれもの”でした。目と耳で楽しめる!なんて素晴らしいのでしょう♪同系列のキング・クリムゾンの1st”クリムゾンキングの宮殿”のジャケは、強烈・猛烈なるインパクトによって小心者のボクはしばらく手に取ることすら避けていました!(苦笑)・・・。
!!ロック通な多くの方々ならば一度や二度、本作をお目に掛けたか?お耳にされたか??程の有名盤なのではないでしょうか?前作(イエス・サード・アルバム)から加入し作曲も出来るgの名手スティーヴ・ハウは本作でも大活躍です。
本作からイエス・メンバーになった”鍵盤の魔術師”&酒豪なベジタリアン(!?)リック・ウェイクマンのkeyプレーのパフォーマンスは、初めて目に耳にする者には、やはり衝撃的なのではないでしょうか!よくインナーの解説やロック本で紹介されるウェイクマンは”手癖(クセ)”のオンパレード等とのコメントで叩かれて??(苦笑)いますが、それも当時の彼の実力自体が尋常では無いほどの技を持ち合わせているからでしょうか。イエスが”シンフォニック・ロック”と呼ばれる所為はやはりウェイクマンの存在が欠かせません。欧州人的?クラシカルな志向・技術にロックな感覚から導かれ放たれる鍵盤群からのパフォーマンスこそ、この当時のイエスに合っていたのでしょうし、バンド自体も彼によって次元をさらに高めた感はありますね。ハウのgとウェイクマンのkeyの個性が強烈にぶつかり合う(1)”ラウンドアバウト”や(9)”燃える朝やけ”ではバンドの永遠なる代表作になっています。
♪
ラウンドアバウト
その2曲と、このアルバム(4)”南の空”、(6)”遥かなる想い出”とが、5人がイエスとしてのバンド単位で演奏し、それが楽しめる楽曲になっています。他曲は、それぞれ個人の”やりたい世界”が広がっています。
(2)”キャンズ・アンド・ブラームス”(ブラームスの交響曲第4番ホ短調第3楽章)はウェイクマンのクラシックに影響・傾倒されているこだわりがモロ感じますし・・・(5)”無益の5%”はビル・ブラッフォード(ds)の変拍子リズムを主体に聴かせて・・・個人的には面白味に欠けますが(笑)リズム隊の相棒同士でもある(7)”ザ・フィッシ”ュはクリス・スクワイア(b)のまさにそのままなベース音が響き渡る中、クリスの高音コーラスとハウのgが印象的です。クリスの流麗なベース音が一番発揮されているのはやはり(9)”燃える朝やけ”ですし、こちらもチェックですよ。(8)”ムード・フォー・ア・デイ”はクラシック・ギター通のハウの独壇場で、アコギ一本だけで豊かな音色表現を聴かせています。(前作の”ザ・クラップ”同様にハウの音世界でしょう。)
そんな個性が一曲丸々で一塊になっているのがオープニング(1)の”ラウンドアバウト”です。そのハウとウェイクマンの二人の活躍は素晴らしいですが、リズム隊のクリスとビルのアタック(変拍子ドラミングに流れるベース)も非の打ち所はありません!曲構成もリフの繰り返しでそもそも簡潔なのですが、合間、合間でのアレンジ(ジョン、ハウ、クリスで被せ合うコーラス等)は聴いていて今だ飽きず、そして面白いです。後半ハイライトのバンド・アンサンブル(ハウgとウェイクマンkeyの掛け合い等)でも各人のぶつかり合いは凄まじい迫力です!曲全編に柔らかさと強さの様なものがあって感動です。ライブ演奏でも発表当時の70年代から、常に締めのハイライトで盛上げてきました。
アルバム全体としては、聴いたみなさんが思われる通りの(アルバム一つとしての)”まとわり”にどこか?散漫なる出来の思いはボクも素直に感じます。次作(危機)こそ丸ごとなるアルバム作品としては一級品でしょう!
ただ本作は、イエスの5人のメンバーの個性を知るには絶好のアルバム作風になっていることは間違いないと思います。ボクはたまたま”こわれもの”から”危機”そしてライブ盤”イエスソングス”と順番よく聴いていたのは、今から思えばそれもラッキーな思いもあります。結成35年以上で豊富なアルバムがある中、イエスはどれから聴くのかと尋ねられれば・・・ボクからはやはりこの”こわれもの”からをオススメしたいです。”最高傑作”と呼ばれ、しかも18分も長尺な”危機”をいきなり聴かされても??ってことも・・・無いでしょうが、バンドの創造力の最高状態が一歩手前になる傑作の本作を聴いたあとに”危機”を聴くと感動がより深くなるような・・・そんな思いがありますね。
FRAGILE(こわれもの)/YES
(1971年発表)
1.Roundabout (ラウンドアバウト)
2.Cans And Brahms(キャンズ・アンド・ブラームス)
3.We Have Heaven(天国への架け橋)
4.South Side Of The Sky(南の空)
5.Five Per Cent For Nothing(無益の5%)
6.Long Distance Runaround(遥かなる想い出)
7.The Fish (Schindleria Praematurus)(ザ・フィッシュ)
8.Mood For A Day(ムード・フォー・ア・デイ)
9.Heart Of The Sunrise(燃える朝やけ)
クリス・スクワイア(b)
ビル・ブラッフォード(ds)
リック・ウェイクマン(key)
スティーヴ・ハウ(g)
ジョン・アンダーソン (vo)
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